かーくがかーくよ

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高梨太郎のここが好き

はじめに

これはSHIROBAKO Advent Calendar 2018の13日目の記事です。

高梨太郎のここが駄目

タイトルに反することをいきなり書くのですが、(特に1期の)高梨太郎にはとにかくイライラさせられますよね。

5話付近の、遠藤さんと下柳さんの間に無用な確執を招いた挙げ句、本来無関係の宮森を巻き込んで、あたかも自分に責任がないかのように振る舞う…こんなやつが職場にいたら刺しそうです。

それ以外のシーンでも、切羽詰まった状況でも軽佻浮薄、いいところを見せるのかと思ったら「無理っす」とヘラヘラ、ややこしいことは後輩の宮森に丸投げしながらも先輩風を吹かす…いいところなくないか? と。いいとこなし太郎かと。

いいとこあります

でもいいところあるんですねー。

言うまでもありませんが、2期・第三飛行少女隊編のトラブルメーカーの1人となる平岡くんに関して最も重要な役割を果たすのが高梨太郎です。その象徴的シーンが、22話「ノアは下着です。」の以下の会話。

平岡「…アニメなんて上がりゃいいんだよ。んなことも分かんねえで、あんときの俺はバカか! …バカか俺は…」

高梨「大ちゃんはバカじゃないよぉ。つらかったねぇ。えらかったねぇ~大ちゃん、頑張ったねぇ~」

ここで泣いた人は多いのではないか。不真面目男の高梨太郎は、だからこそ、真面目さ故に折れてしまった平岡くんを真っ直ぐに労い、慰め、励ますことができるわけです。

ここが高梨太郎最大の見せ場の一つであることは、おそらく論を俟たないでしょう。

でももっと好きなところがある!

あります。私が最も好きな高梨太郎は、他にいます。

17話「私どこにいるんでしょうか…」より、長距離の車移動で迷子になった佐藤さんと宮森が電話で会話し、それを高梨太郎が隣で聞いているこのくだり。

佐藤「嵐山って書いてあります…」

宮森「あらしやま…」

高梨「京都っすか?」

佐藤「あ、らんざんって読むみたいです」

宮森「らんざん…」

高梨「あ、関越道だな」

ここ!!!!!!!!

ここです。

高梨太郎は、入社試験で運転試験を担当したり、矢野さんのピンチに深夜車を出したりと、運転に関してはおそらくムサニで一定の地位というか、信頼を築いているのではないかと思われます。

運転慣れした高梨太郎は、ぱっと地図を見ただけで、佐藤さんが何をどう間違って嵐山にたどり着いたのか、だいたい理解したのではないかと思われます(想像ですが)。

だから彼にとって、この迷子は大したことではありません。把握できる範囲内で迷っているだけです。高梨太郎にとって、佐藤さんの慌てぶりはむしろ微笑ましくもあるのではないでしょうか? 公園の中でさまよっている子どもを遠目に見ているような。

「京都っすか?」「あ、関越道だな」の落ち着いた、こともなげな、ちょっとそっけないくらいのその口ぶりには、そんな余裕が見て取れます。もしかしたら、「いざとなったらキャリーしに行ってやるかー」ぐらいのことは思っているかもしれません(想像ですが)。

それもこれも、運転が高梨太郎の得意分野だから。どんな無責任男でも、その得意分野、プロフェッショナルの片鱗を見せる瞬間は格好いいものです。

そう、このシーンの高梨太郎は格好いい!!

だから好き!!!!!!

おわりに

オチとかは特になく、高梨太郎が格好いいという話しかしていないので少しいい話を。

SHIROBAKOは本当に私にとって大切なアニメです。働き始めて間もない頃にこのアニメを知ったことは、大袈裟な言い方になりますが大きな財産になっていると思っています。

働くということ。大人になること。チームで何かを作り上げること。夢を見ること。それを叶えること。それらについて見つめ直す機会をくれる素晴らしい作品です。

また頭から見返したくなってきましたので、今年中にもう一度通して見ておきたいと思います。